2005年07月20日
カスピ海ヨーグルト
カスピ海ヨーグルトには3種類の有用菌が含まれています。最も多いのが乳酸菌であるクレモリス菌(学名ラクトコッカス・ラクティス亜種クレモリス)です。このクレモリスは乳酸を生成すると同時に多糖体の粘性物質を作り菌体の周辺に放出します。これがカスピ海ヨーグルト特有の粘りです。
もう1種の乳酸菌はリューコノストック菌という乳酸球菌です。3つめは乳酸菌ではありませんが,乳酸菌と異なり増殖するのに酸素を必要とする好気性菌のグレコノバクター桿菌です。この菌は乳酸菌が増殖したり粘性物質を形成する環境を整えるのではないかといわれています。
普通のヨーグルトを作る乳酸菌は37〜42度位の温度で最もよく繁殖しますが,カスピ海ヨーグルトは20〜30度近辺で最もよく増殖します。牛乳にカスピ海ヨーグルトの種を植付けて室温で放置すると乳酸を形成して酸性となり、他の雑菌の繁殖を防ぎます。カスピ海ヨーグルトが家庭で作りやすく保存も簡単なのはこのためです。
3種類の菌は牛乳中で容易に細胞分裂を繰り返して増殖しますので何度でも繰り返しヨーグルトを作ることが出来ますが,雑菌の混入を防ぐためにいつも清潔な操作を心掛けてください。長時間の放置で表面がクリーム色になることがありますが,これは好気性菌が表面で繁殖しているために起るもので,腐敗ではありません。しかし,塊ができたり,異臭や酸味が強い時は雑菌による汚染が懸念されますので食べないようにしてください。
来歴
カスピ海ヨーグルトは黒海とカスピ海の間に位置する世界三大長寿地域として知られているコーカサス地方で食べられていたもので,京都大学名誉教授の家森幸男先生が長寿と食生活の研究のために1985年頃日本に持ち帰ったものだそうです。種菌が入手できれば自宅で簡単にカスピ海ヨーグルトを作ることができます。
効用・効果
(1)栄養補給。カロリーは牛乳と同じおよそ70kcaI/100mlです。
(2)高血圧やコレステロールが低下する。
(3)整腸作用により腸の働きが活発になり便秘が改善し,発ガン物質などの有害な腸内不廃物を吸着して体外に排泄する。
(4)免疫機能が高進してガンの予防や体の抵抗力を高める。
カスピ海ヨーグルトの作り方
(1)密閉できる蓋付きの容器にスプーン1杯のカスピ海ヨーグルト種菌を入れ,牛乳250〜300mIを注いでよくかき混ぜる。種菌が多ければそれだけ早くできます。
(牛乳500mlに対して種菌をスプーン2〜3杯を目安にしてください。)
(2)テイッシュペーパーで容器に蓋をし輪ゴムで止めます。室温(20〜30度程度)で10〜15時間程度放置します。置き場所は直射日光のあたらない戸棚などがよいでしょう。
(3)表面が固まってきたら出来上がりです。中心部分のヨーグルトは別の容器に移し次回の種菌にします。24時間以内にヨーグルトを作り替えるのが理想的です。2日以上保存する場合は冷蔵庫に入れ,食べるための冷蔵庫保存品は3日以内に食べるようにしましょう。
注意点としては,手をよく洗い,容器とスプーンは熱湯消毒します。温度が10度以下では増殖が止まり,30度以上では腐敗する可能性があります。
2005年07月20日 15:18