2005年09月13日
桃
中国北西部を原産とするバラ科の落葉樹です。日本では主に山梨、岡山、長野、山形県で栽培されています。桃の花の色には白とピンクの2色があります。花は3月に枝いっぱいに咲き、6〜7月に実を結びます。
種子の外側の堅い殻を取り除き、中の仁を取り出し乾燥させたものが生薬「桃仁(とうにん)」です。果物用の白桃や水蜜桃の種子は小さく、薬用の桃仁としては適しません。
桃仁には脂肪油40〜50%、青酸配糖体のアミグダリン、酵素のエルムシンが含まれます。月経障害、腹部腫瘍、下腹部痛、神経痛、打撲傷、内臓の化膿症(盲腸炎など)、老人性の便秘に用います。
桃の白い花を乾燥させたものだけを用い、桃色の花は使いません。
日本では半開きの花蕾を「白桃花」として、中国では開花した花を「桃花」として用います。花にはケンフェロール配糖体、クマリン、花蕾にはナリンゲニンが含まれ、ケンフェロールには利尿、下痢を止める作用があります。浮腫や脚気、便秘、無月経に用います。
桃の葉にはタンニンやニトリル配糖体が含まれ、鎮咳作用やボウフラ殺虫作用が知られています。桃の葉をお風呂に入れ入浴すると、あせもや湿疹、かぶれ、荒性などに効果があります。フケ症には煎じた液での洗髪、脱肛には濃く煎じた液での坐浴で効果があると言われています。
桃の葉はかつてツツガムシ病の特効薬として、焼いた石に桃の葉を敷いて坐り、体についたツツガムシを殺したり、桃の枝で作った針でツツガムシをほじり出したと伝えられています。
来歴
桃の種子は弥生時代の遺蹟からも発見されています。平安時代には鑑賞用として栽培されていましたが、果物用として栽培され始めたのは江戸時代に入ってからです。しかし、現在のものよりは小振りで実も硬かったようです。明治以降に今日のようなみずみずしく、やわらかで甘い桃が栽培されるようになりました。
中国では桃にまつわる話がたくさんあり、桃の生命力が強いことから、桃には邪気をはらう力が備わっていると信じられていました。3月3日の桃の節句に桃の花を飾り、桃酒を飲む習慣も、桃が魔除けの力を持つという中国の話からきたものでしょう。女の子のお祭りに関わりがある桃が、婦人病に効果があるというのも感慨深いものがあります。
効用・効果
桃仁、白桃花、桃花を煎じて
抗炎症、鎮痛作用を持つ
(1)盲腸炎などの内臓の化膿性疾患、腹部腫瘍などに効果がある。
(2)神経痛、打撲傷の痛みに
(3)月経障害(月経不順、無月経)など婦人の血の道に効果
(4)便秘(ただし体の弱い人には向きません)
(5)浮腫、脚気
桃の葉をそのまま
(6)あせも、湿疹、かぶれ
桃の葉を煎じて
(7)フケ症、脱肛
注意すること
妊娠中の人が桃仁、白桃花、桃花、いずれも用いることはのぞましくありません。
用い方
桃仁は1日3〜5gを煎じて服用。
白桃花、桃花を煎じて服用。
葉を採取し、きれいに洗って浴剤として用いる。
葉を煎じてその液で体を洗っても同様の効果があります。
別名:白桃花 桃花
抗炎症作用|鎮痛作用|皮膚のトラブル|フケ症|婦人病の諸症状|便秘
2005年09月13日 14:55